今クールで『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日 木曜21:00)『朝が来る』(フジテレビ 土曜23:40)の二つのドラマで取り上げられる特別養子縁組制度。
『はじめまして、愛しています。』では特別養子縁組成立までの過程が、『朝が来る』では特別養子縁組成立後の養親と実親の光と影が描かれます。
そもそも。特別養子縁組とは何なのか?気になったので調べてみました。
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養子縁組制度の違い
「特別」があるなら、当然「普通養子縁組」もあるわけで、多くの人が思い浮かべる養子縁組が普通養子縁組です。
普通養子縁組は「家の存続等の契約型」で、戸籍には「養子・養女」と記載され、親子の離縁が可能です。
「子どもがいないから子どもが欲しい」とか「跡取りが欲しい」とか、少し乱暴な言い方になりますが、養親の希望によって進められる養子縁組です。
それに対し、特別養子縁組は、レイプ・貧困・風俗など予期しない妊娠によって生まれた「子どもの利益と福祉のため」のものです。
戸籍上は「長男・長女」などと記載され、原則として親子の離縁はできません。
実親との親子関係を法律上終了させ、養親と養子の間に「実親子に準じた関係」を家庭裁判所に成立させてもらうのです。
普通養子縁組 | 特別養子縁組 | |
目的 | 「家」の存続など当事者合意の上の契約 | 実親が子どもを育てることが著しく困難な場合、子供の福祉を守るため |
成立 | 家庭裁判所に申し立て、縁組の許可を受ける | 家庭裁判所に申立て、審判を受けなければならない |
成立までの期間 | 1~2ヶ月 | 6ヶ月の試験養育期間後、審判 |
養子の年齢 | 養親よりも年少者 | 申し立て時点で6歳未満 ※6歳未満から事実上養育していた場合は8歳未満 |
養親の年齢 | 青年に達した者 未婚でも可能 |
婚姻している夫婦の一人が25歳以上でもう一人が20歳以上 未婚不可 |
親子関係 | 実親と養親の2重関係 | 実親との親子関係消滅 養親だけが親子関係を持つ |
戸籍の表記 | 「養子」「養女」等 | 「長男」「長女」等 |
養親の離縁 | 認められる | 原則認められない |
相続 | 実親・養親の扶養義務、相続権を持つ | 養親の扶養義務、相続権を持つ |
気軽に養子縁組をしようとする人は少ないと思いますが、より「特別」な養子縁組ですので、養親となる者には様々な条件が課せられます。